また、田中香代子(2012)では、以下の表がまとめられている。文献综述
表1 番組に現れる動詞の丁寧体の状況
動詞+ 「ません」 動詞+「ないです」
使用件数 84 例 254 例
表1によると、「ないです」の使用は「ません」の約 3 倍もあることが分かる。その結果は前の田野村と野田の研究結果と完全に違っている。会話を調査した福島・上原(2001)、会話コーパスを分析した野田(2004)と小林(2005)、トーク番組を調べた池田他(2010)においては、全てのデータにおいて「ないです」形の使用が「ません」形より上回ることが報告されている。各々の「ないです形」の使用の割合は、73。6%(福島・上原)、67。7%(小林)、87。1%(池田他)であった。それによって、会話に「ないです」形の割引がどんどん増えている傾向が分かる。
日本語の母語話者は自然会話において動詞の「ないです」形のほうがよく使うと思われる。それによると、自然会話の話し方は時間とともに変化していることが分かる。しかし、初級日本語教材において、「ません」形と「ないです」形のどちらの形が扱われているかを調査したものに池田他(2010)がある。池田他(2010)では、1990 年以降出版された19種類の日本語の初級教科書で扱われている「ません」形と「ないです」形について、前接する品詞別に調査し、その結果を報告している。イ形容詞は「ないです」形のみ、または「ないです」形と「ません」形との両方を提示してある教科書が多いが、ナ形容詞では、「ません」形のみを提示してある教科書の割合が高い。名詞では、「ません」形のみを扱っている教科書がほとんどであり、動詞においては、全ての教科書が「ません」形のみを扱っている。