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前者のうちに、学習塾は、近年厳しい競争にさらされているが、さまざまな形の学習塾が現れているものと考える。それに対して、主に小・中学生を対象とした学習塾に目に向け、そこでの教育のあり方を踏まえながら、社会史の分析をおこない、今後の学習塾の現象について考える。後者のうちに、学校教育において「公的教育」を打ち出すなど教育改革が行われるようになる。学習塾の現状の分析をおこない、今後の学校の経営について考える。
第一章 学習塾について
1.1学習塾の社会史
学習塾は、主に学校の放課の後に、有償で学校教育の補足や進学準備教育としての目的などをする施設である。地域の教育力の一端を担う機関として多くが学校では十分に扱わない内容を子供に学習する機会を提供している。学習塾は主要科目に関しての学力補強や学習の補助、入試対策などに力を入れている。保護者の要望に答え、通常の学習よりも入試での合格を主な目的とする学習塾も多くその合格実績を競っている。さらに、日本では、大学を出ている所得が高卒よりも多い学歴社会だから、子ともの教育と進学と考えるために、親たちは学校の補習や受験の準備を学習塾に任せるようになった。
第二次世界大戦後、都市を中心として進学を目的としての学習塾の萌芽がみられる。1960年代後には、中学校や高校に進学する時期にあたり、受験競争に勝ち抜くためにより進んだ教育と進学に関する学習塾が成長した。1970年はオイルショック後の不況を背景とした「学歴社会」への期待感が高まる一方で、教育内容が増大から「落ちこぼれ」が社会問題になった時期であり、全国的に多くの学習塾が設置された。さらに、1979年から共通一次試験が導入されたことや、単なる「学歴」ではなく有名一流校といった「学歴校」が重視されるようになった影響もあり、バブル景気に中で消費支出が増加する中で教育費も増大した。この時期には、学習塾が地方へも浸透し、通塾が低年齢化した。1990年代以降も学習塾は成長を続け、1996年にはピークに達し1兆円を超える市場規模となった。その後も、学校のゆとり教育で、塾へ行く子供との学力の格差がますます広がることがある。保護者が学校の「ゆとり教育」への不安などを背景として学習塾への注目度を高める。