4.2内的要素について 7
4.2.1婚姻観と家族観の変化 7
4.2.2教育意識と参政の意識の変化 7
5. 国際的視点から見る日本の女性の社会地位 9
5.1欧米と比較して見る日本女性の社会地位についての問題点 9
5.2女権先進国フランスとの比較から見る女性の自立意識 10
6. おわりに 12
参考文献 13
1.はじめに
筆者が日本に行く以前、次のような話を聞いたことがある。アメリカ人の給料をもらい、イギリス風の家を持ち、中国人の調理師を雇い、日本人の奥さんがいるのが人生で最もの幸せだという。ここでは、日本人の女性は良い奥さんであり良妻賢母であるというイメージが表されている。確かに、既婚の日本人女性は、家事や子育てが仕事であると思う人が数少なくないようである。しかし来日してみると、実際はそうではないことに気がついた。日本で、アルバイトの女子高校生と話し、異文化コミュニケーションの授業で日本人学生と意見交換をした結果、これまでの考えとは全く違うことがわかった。そのことから、日本でどこにでも見える女性労働者の姿及び日本の女性の価値観、社会地位の変化に興味を持つようになった。论文网
日本社会は中国と同じように長期的に男性を中心とした社会である。そのため、日本の歴史の中で、女性の社会的地位が低いことも事実である。「男尊女卑」という観念も根強く揺るぎないことである。明治維新以前には、「女大学」は女性の聖書と呼ばれた。「三従」「四徳」などの封建思想が、女性の知恵と行動を束縛した。明治以降、日本の女性は以前より自由になったが、近代社会の基本的民権がなく、政と政治に参加する権利もなく、高等教育を受ける権利もなかった。しかし、戦後、女性の地位は変化した。
本論では以下の四つの特徴を中心にして考える。まず日本における女性の社会的地位の現状を考察し、戦後日本における女性の社会的地位の向上の原因を分析する。そして、国際的視覚から見る日本の女性の社会的地位と問題点を追究し、更にフランスと比較して日本女性の自立意識について探究する。
2. 先行研究
戦後の日本社会は、経済的にも社会的にも大きな変動を経験し、男性と女性を取り巻く状況も大きく変化してきた。戦後の日本は男女平等の精神が憲法でうたわれるようになり、女性が職場で不利益をこうむることがなく、社会進出ができること、政治や意思決定に女性が参画すること、家族やカップルの中で男女対等であることなどが目指された。
横山文野(2002)は、「戦後日本の女性政策」で戦後の社会状況の変化を次ぎの三点にまとめる。第一は家族の構造・構成の変化、第二は女性の就労状況の変化、第三は男女平等社会への志向である。これらの社会的変化と公共政策、家族と女性の相互関係を視野に入れ、様々な公共政策がどのように交錯し、女性の社会的地位に影響を与えてきたのかの解明を試みた。確かに、時間の流れとともに社会構造も変わり、日本女性は政治、経済、教育、医療、福祉などさまざまな分野で活躍している。現在、日本の女性は結婚する前もほとんど仕事を持っており、男性と同じように働いている。日本では女性の外交官もいるし、議員、社長、新聞記者、さらに、女性の航海師もいる。それでも、「男性を中心とする社会」と言われている日本では、女性の就職状況が依然として厳しい。経済協力開発機構(OECD)が、先進国を中心とする加盟30ヵ国の雇用状況報告書「雇用アウトルック(2008版)」で、日本について著しい男女間の雇用格差を問題視し、女性の就業率の低さを指摘した。また、緊急対策が必要だと注文を付けた上に、男女雇用機会均等法の施行・改正などにより、女性の社会進出状況は改善されているが、男性と比較して就業率が低いとのべている。