1。1先行研究

村上の『神の子供たちはみな踊る』は震災文学で非常に重要な作品であり、多くの学者がこの作品について研究を行っている。従来の研究では、この小説について、見解に相違があり、1、作品の背景に関する問題2、作品の内容に関する問題3、作品の主人公に関する問題、以上の三つの角度から研究している。

1、作品の背景に関する問題

阪神大震災と同年の東京の地下鉄の複数路線に神経ガスが散布された事件がの小説の背景である。武岳(2013)が翻訳した《村上春树的文学迷宫》によると、村上は子供のときから、少年時代まではずっと阪神に住んでいたことが分かる。大震災とテロ事件を受け、傷だらけの故郷を書くのは難しいが、村上は避けるつもりはない。従って、地震と事件が発生した後、『神の子供たちはみんな踊る』という震災小説を発表した。

曾軍(2011)は<地震对我们意味着什么村上春树的灾难叙事>の中で、創作の背景として自然災害と人為テロだけではなく、当時の経済状況も村上の作品に大きい影響を与えたと述べている。そして、Jay Rubin(2012)の《洗耳倾听》(冯涛译)にも、90年代の日本人の生活は暗く沈んでおり、当時の日本人は裕福であったが、生活は非常に空虚であり、大地震は彼らを呼び覚まし、生活に直面させたと主張している。

2、作品の内容に関する問題

作品の主題はますます深刻化しており、鬱屈した現実の画面で、積極的な内容を書いている。そして、林少华(2009)も『神の子供たちはみんな踊る』の内容は消極的から積極的に発展していると主張している。作品の中に、空虚、憎悪、暴力等マイナスの単語があるが、自由、光明、愛などプラスの単語もある。六篇の小説を通じて、地震の闇と空虚の世界から出ており、生活の方向を転換し、生き返った。

3、作品の主人公に関する問題

任如璇(2012)は『神の子供たちはみな踊る』の独特は主人公は地震の直接な被害者ではなく、地震で生活がめちゃくちゃになり、心が震えた一般人だということであると述べている。個別的な被害者は集団的な災難を代表し、単純な震災文学より更に深刻である。そして、曾軍(2011)も主人公について、<地震对我们意味着什么村上春树的灾难叙事>の中で、次のように指摘している。『神の子供たちはみな踊る』の主題は「地震は我々にとって、どんなことでしょうか?」ということである。この小説の主人公は地震であり、小村、三宅、善也などはただ“我々”の一員であり、つまり、小村たちは日本人全員の代表である。小村たちと地震の関係は日本人と地震の関係を代表している。地震は小村たちに深刻な影響を与え、即ち地震は日本人に衝撃を与えた。そして、小村たちを通じて、日本人が地震に遭った時、どのように対処するべきかを述している。村上は主人公は普通で、地震に直接遭わなかった人であるが、地震は彼らの生活に深刻な影響を与えたという内容を通じて、地震はすべての日本人にとって、大きい影響があると暗示している。

以上は先行研究において考察し、整理された『神の子どもたちはみな踊る』に対する内容である。しかし、既存の研究には、具体的に作品内容と地震との関係に言及する文献がないようである。

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