以上のように、既存の研究では、暴力性そのものを研究するのが一般的である。大衆を騙すメディアはある程度大衆にいい作品を提供し、暗殺者とした青豆は女たちを守るために男を殺す。こういった内容が「1Q84」での善悪のバランスだと思う。そして、人間は自分が嫌い、或いは怖いものを、逆に自分を守る武器に変える可能性もある。筆者は分析法を利用し、そして既存の研究を分析した上で、日本社会における暴力の根源から見る「1Q84」での善悪のバランスと人間自身の矛盾性を検討したいと思う。文献综述

2。　 個人からの暴力

本小説において、青豆、天吾、老婦人、深絵里などの人物は、他人から暴力を受けている場合が多い。本章はこの四人の体験から、その暴力を明らかにする。

2。1青豆

青豆の親は「証人会」に熱中している。青豆は「証人会」の子供として、生まれながらの被害者と言える。「神の教えに背いた輸血をして地獄に堕ちるより、楽園に行った方が遥かに幸せなのだ、子供たちはそう教えられる。」「そのような論理が社会通念的に、或いは科学的に正しいことかどうか、知りようもない。子供たちは親から教わったことを、そのまま信じ込むしかない。」このため、青豆は皆と違い、学校でご飯を食べる前、神に祈りを捧げていた。こんな異様な行為で、青豆は友達に笑われ、締め出されていた。幼年時代の青豆はいつも同年代の人の嘲笑と疎遠な態度を浴びていた。その精神的な暴力を受け、青豆は非常に寂しい幼少時代を送っていた。

そして、宗教のため、青豆の親は厳しい規則や制度に従い、青豆も敬謙な教徒となることを要求されている。青豆は子供のあるべき姿を失ってしまった。小学校の時、彼女は親から逃げたが、この数年以来の影響は捨てたくても捨てられず、青豆は禁欲を生活上の信条として、個人の感情、欲望を抑えている。

肉体的な傷のほうが精神的な傷より苦しい。目に見えるかたちで傷は残るので、同じぐらいのひどさなら肉体のほうが辛い。卒業した後、青豆はスポーツトレーニングと健康食品を製造する会社に勤め、その会社の女子ソフトール部の中心選手として活躍した。しかし大塚環が死んだ翌日、青豆は会社に退職願を出し、スポーツクラブでは主に筋肉トレーニングとマーシャルアーツ関係のクラスを担当した。彼女は女性のための護身術のクラスをいくつか立ち上げ、男の睾丸を蹴ることを教えている。このクラブで、青豆は老婦人と知り合い、そして老婦人の依頼でドメスティック・バイオレンスをした男を殺し始めた。来*自-优=尔,论:文+网www.youerw.com

2。2  天吾

天吾の父はNHKの集金人であり、集金に付き合わせられた。小さい頃、同年代の友との遊びの代わりに、天吾の父は週末天吾を連れて、一軒一軒NHK受信料を徴収していた。子供を連れた父に嫌がらせをする人は少ないので、幼い天吾を利用した天吾の父の仕事は一層に順調になった。しかし天吾は不快感、羞恥心を禁じ得ず。自由を奪われた天吾は父を憎んだ。彼もクラスメートに締め出されていた。同じような体験をしていた天吾と青豆は互いに引かれ合った。十歳の頃、天吾は青豆と手を握り合い、父に週末を利用して自分の好きなことをしたいと言った。天吾はその後、父の拘束から抜け出した。父の拘束とクラスメートの疎遠が天吾に拭われない影響を与えた。少年時代の天吾は週末に怖がり、週末になると、体は重くなり、食欲もなくなった。成年に達しても、週末への恐怖は消えない。