謝 辞 16
1. はじめに
日本語の連体修飾節は用法が豊富かつ複雑である。日本語の動詞は形の変化に応じて意が変わるものであり、おなじ形であっても、アスペクトの面から見ても意がまったく違う場合がある。連体修飾節における動詞はそういう特徴を持っているため、その活用は外国人日本語学習者にとってかなりの難問である。
日本語の連体修飾節は「い形容詞」と「な形容詞」を含め、動詞を中心とする連体修飾節が文の構成にきわめて重要な役割を務めていると言える。連体修飾節に現れている動詞はテンスとアスペクトの面において使い方が大きく違っている。連体修飾節における動詞は、主節の動詞と同じくテンスの変化があり、それにアスペクトの意においてもさまざまな使い方があると考えられる。これは中国語にはない現象であるため、中国人日本語学習者にとって日本語上達への道において越えなければならない重要な課題であり、研究に値するテーマでもあると筆者は考えている。
そこで、本稿では連体修飾節に関する先行研究を踏まえ、自らの視点から連体修飾節における「~スル、~シタ、~シテイル」という三つの形の使い分けを研究したい。
1.1日本語連体修飾の定義
日本語の文を構成するには、主語、述語、目的語、修飾語などの要素が必要である。修飾語は名詞や代名詞、形式名詞(叙述の便宜上、名詞や代名詞、形式名詞を総括的に「名詞」と呼ぶ)などを修飾する連体修飾と、動詞、形容詞を修飾する連用修飾に分けられている。いわゆる連体修飾は、名詞が文の中のほかの成分によって修飾された文法用語である。その連体修飾は、語句による連体修飾と節による連体修飾に分けられる。日本語の連体修飾の構造を分かりやすく説明するために、例で示す。(「_」線で表記した部分は修飾成分であり、「 」線で記した部分は被修飾成分である)。
(1)暖かい 春がやっときました。
(2)彼が勤めた 会社が倒産した。
(3)輝いた、楽しそうな 微笑がグラフィーラの口元に漂った。
例文(1)は形容詞「暖かい」で「春を修飾しているものである。これは語句による連体修飾の類である。例文(2)の「彼が勤めた」は独立した節として「会社」を修飾しているものである。例文(3)の「輝いた」と「楽しそうな」は並列の節として「微笑论文网」を修飾したものであるが。つまり、例文(2)も(3)も節による連体修飾の類に属したものである。
1.2 先行研究
動詞のアスペクトに関する研究はすでに数多くの成果を得たところである。文末の動詞のアスペクトの適用規則は連体修飾節における動詞の場合にも深く関係するものであると盛文淵(2011)が指摘している。そして、劉楊秋(2010)が更に日本語母語話者と各レベルの中国人日本語学習者を対象にアンケート調査を行ったところ、「結果状態」のアスペクト意を含む「~テイル」と「~シタ」が文末と連体修飾節という二つの場`优尔*文+论]文|网\www.youerw.com合、「~テイル」と「~シタ」が文末に使われる傾向において、日本語母語話者と各レベルの中国人学習者に大きな差が出なかったものの、連体修飾節に使われる傾向において、日本語母語話者と上級レベルの中国人日本語学習者のグループと中級、下級レベルの中国人日本語学習者のグループに差が出たということが分かった。