日本人の好み色について、多くの研究がなされている。何昕(2009)は「日本人の色彩意識と自然観」で、地理及び自然に影響され、日本人は自然に対する感想を表すことが好きであり、自然の美に詠嘆することを永遠のテーマとすると述べている。中本幹生(2013)は「自然と人間の関係を問う」で、自然崇拝の視点から、日本人は素朴的な色を自然崇拝の理念の具体的な表現として、自分の身の回りや服装、室内装飾、器などに寂しい色を付け、自然を感じさせるとともに、神様も自分を守ているように感じさせると述べている。また、日本人は昔から茶道を重視し、茶色系に驯染んできた。さらに、このような美意識が日本人の色彩感覚に影響を与えた。禅の「無」の思想も寂しい色の表現である、と述べている。葉琳(2005)は「『風雅』と『超政治的』な日本文学について」で文化の角度から色を研究し、歴史背景と風俗習慣が人間の生活に影響を与え、文化や観念形態を変える働きがあると述べている。

日中両国は一衣帯水の隣国であり、文化の交流が千年以上続いている。しかし、なぜ中国の文化に深く影響された日本人は華やかな色ではなく、素朴な色に愛着を抱くのかについて疑問を持っている。

そこで、本研究は日本人の好み色を考察し、その原因を分析する。また、日本の社会や文化及び日本人の美意識などを探究する。

まず、先行研究を踏まえ色に対する日本人の好みについて考察する。次に、「寂色」ということばの定義や意味を調べ、日本人の日常生活に使った寂色と場所を探究し、さらに文化、信仰、自然などの方面から考察し、その原因を追究する。 文献综述

2。先行研究

2。1色に対する日本人の好み

村山貞也(1996)は『人はなぜ色にこだわるか』で、「人は、色を感じ、それを他の色と区別して知覚するが、同時に、その色に関する連想を強いられ、快・不快とか好き•嫌いといった感情を引き起こす。さらに色は一定の意味を伝えるメッセージでもある。この意味とは、社会が約束こととして決めたもの、なんとなく習慣や心理的な傾向としてそう決まったもののほか、ある色にだけ反応する生物の本能に対して、自然界が送る生態的に意味のある色もある。」と解釈した 。

中国人の好きな色はなにかというと、赤だというイメージを持っている人が圧倒的である。一方、、日本人の好み色といえば、大体地味な色であろう。また、日本人の生活によく見られた古びた色でもあろう。

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