5。2 まとめ 16
参考文献 18
1。 はじめに
1。1 動機と目的
日本のアニメーションやテレビドラマは今、世界中にはやっている。特に日本のアニメは世界トップレベルで、日本の象徴とも言える。
国際交流基金2012年の調査によると、現在は世界中136の国及び地域約399万人が日本語を勉強している。それらの学習者にとって、日本のアニメーションやテレビドラマは重要な学習資源である。しかし、アニメーションやテレビドラマの登場人物が話している日本語は本当の日本語とは言えない。ある程度で、役割語と言える。だから、ひたすらアニメーションやテレビドラマの中の日本語を勉強して、模倣すると、変な日本語になる可能性が高い。
今回は、2016年日本の人気ドラマ「あさが来た」を例に取り上げて、役割語を論説したい。日本語学習者の私たちが、日本のアニメーションやテレビドラマをどう接すべきかを話したい。
1。2 構成
本論文の構成は以下の通りである。论文网
第1章では、本論文を書こうと決めた動機や目的をまとめた上で、論文の構成を説明する。
第2章では、先行研究として、役割語という概念を解説し、その歴史や構成の説明もする。役割語の種類として、お嬢様語や博士語、武士ことばなどがある。その中で、方言や女ことば、男ことばを具体的に説明する。
第3章では、「あさが来た」でよく出てきた関西方言や女ことば、男ことばを見つけ出す。
第4章では、第3章で見つけ出した役割語のヤクワリを分析する。
第5章では、本論文のまとめとして、今後のテレビドラマの役割語の発展と日本語学習者の学習にどう役立つかを話す。
2。 役割語
2。1 概念
役割語は、大阪大学大学院文学研究科教授金水敏(きんすいさとし)が近年提唱された概念として、その歴史はまだ短い。金水敏は彼の作品「バーチャル日本語 役割語の謎」という本で、役割語を以下のように定義している。
ある特定の言葉づかい(語彙・語法・言い回し・イントネーション等)を聞くと特定の人物像(年齢・性別・職業・階層・容姿・風貌・性格等)を思う浮かべることができるとき、あるいはある特定の人物像を提示されると、その人物がいかにも使用しそうな言葉づかいを思い浮かべることができるとき、その言葉づかいを「役割語」と呼ぶ 。
例えば、「そうじゃ、わしが博士じゃ」としゃべる博士や、「ごめん遊ばせ、よろしくってよ」と話すお嬢様はアニメーションやテレビドラマによく登場するにもかかわらず、実際に会ったことはあまりないだろう。しかし、日本語話者(特に日本人)にとって、言葉づかいだけで博士かお嬢様かなどを自然に思い浮かべることができる(日本語学習者にとっては結構難しい)。これらは昔から文学作品や演劇、ドラマなどで繰り返しに使われていて、もう日本語話者の中で広く共有されて、固定のイメージが形成されたからだ。物語や小説などの中で、老人の役割を担う人物は老人の役割語で、博士の役割を担う人物は博士の役割語で話している。そうすることで、聞き手も読み手も理解しやすい。役割語は、現実の役割語とは別の、でも確かに存在する日本語という意味で、バーチャル日本語と呼ばれている。バーチャルは仮想という意味がある。