4.3.1. 共通点 11
4.3.2. 差異 11
5. 終わりに 11
例文出典 12
参考文献 12
謝 辞 13
1. はじめに
1.1. 先行研究
副詞とは何か、という課題は昔から多くの日本語学者を悩ませている問題である。統一の基準を律し得ず、副詞を認定する基準が研究者によって異なり、まだ定着されていないようである。その中で、千野栄一(1984)では「副詞は他の品詞と比べ定義することが困難な品詞で、ただひとつうまく適用できる定義は、定め得る凡ての品詞を定めて、それを除いた残りを一つの品詞として副詞と呼ぶことである」(「副詞ゴミタメ論」『日本語教育』P.52)と指摘している。また、副詞の分類について、それぞれ違う角度からの研究の原因で、副詞の分類には諸説があるが、多くの研究者は山田(1908)の研究を認めている。山田によると、副詞は程度副詞、情態副詞、陳述副詞に分けられ、そして時間に関する副詞は動作作用に依存し、その下に来る用言を修飾する機能を持っており、その修飾方法も情態副詞と同じであるため、情態副詞の中に編入する。時間的な副詞には、例えば、いま、いまに、いまにも、いまや、いまだに、いまだなどのような語彙がある。
「いま」については、副詞的な属性を持っている名詞の「いま」は時間名詞(時の名詞)とされることもあり、時間副詞(時の副詞)とされることもある。『新明解国語辞典』によると、[いま]は二つの解釈がある。一つはその話し手や書き手が何かをしている(何かの状態にある)瞬間を静止にとらえたものを説明されているものであり、もう一つは現在の時点に、多少幅を加えたものである。また孫佳音(2008)の研究によると、時間副詞である「いま」は共起する述語のテンス、アスペクトの語形によって発話時・発話時の直前・発話時の直後の時点を表す。そのほか、濱屋方子(1998) によると、「いま」は副詞として用いることが大体三つの場合があり、一つは動作が現在進行中で、つまり現在の状態にあることを強調する働きを持っていることであり、もう一つはある動作を時を置かずすぐに行うことであり、最後はその動作が行われて間もないことである。
ほかの時間副詞「いまや、いまに、いまにも、いまだ、いまだに」については、下記のような辞書での説明があるが、それらの使い方の専門研究も対比的な分析や探求などもほとんどない。
「いまや」:①今こそ、まさに今 ②いまでは (『ハイブリッド新辞林』)
「いまに」:①②今まだに ②そのうちに;間もなく (『広辞苑』)
「いまにも」:今すぐにも (『ハイブリッド新辞林』)
「いまだ」:①(多く打消の語を伴って)まだ。 ②今もなお(前のままで) (『広辞苑』)
「いまだに」:(否定の語を伴って用い、肯定文にも用いる)今もなお、まだ (『明鏡国語辞典』)
1.2. 研究課題の提示
類義副詞については、辞書や文法書などでの説明が多いが、系統性が足りないため、学習者にとってはうまく理解出来ないかもしれない。具体的に、「いま、いまに、いまにも、いまや、いまだに、いまだ」という類義時間副詞について、以下の例のように学習者がその違いを理解できない場合が多くある。