「お盆」は中国の四大伝統祭日の「除夜、清明（旧暦四月五日）、中元（お盆、旧暦七月十五日）、寒衣（旧暦十月一日）」の一つとして、中日両国、ましてすべての東アジア地域における重要な祭日と言える。中国の「お盆」の日が旧暦の七月十五日なので、この祭日が「七月十五」とも呼ばれている。「七月十五」ずいぶん前からできた祭日で、南北朝時期に遡ることができる。道教の「七月十五」と民間の「鬼節」、「七月半」などの言い方とともに、いままで伝わってきた。叙述に便宜を図るために、この論文において中国の「お盆」を「七月十五」と呼ぶことにする。「七月十五」は古代中国民衆が毎年において、僧侶、道士をまかない、先祖を祀り、亡魂を済度する期日である。この日では、先祖祭り、墓参りなどのさまざまなイベントが行われる。「七月十五」は仏教、道教および民間の三方作用が合流して共同に行う重要な宗教祝日なので、中国古代の各大の伝統祝日においても独特な存在になっていた。论文网

日本の祭りでは、代表的なものが冬の「正月」祭りと夏の「お盆」である。日本でのお盆は、『日本書記』によると、仏教の流入にともなって、７世紀の中期から、サンスクリット語（梵語）の「ウラバンナ（逆さ吊りの苦しみを救うという意味）」という言葉から「盂蘭盆会」、または「お盆」と呼ばれ、次第に重視され、お正月に次いで、重要な祝日となってきた。「お盆」は7月13日から16日までの期間で行われる祭りで、生前過ごした家に帰ってくるとされる祖霊(先祖の霊)や亡き近親者の霊を迎えて供養する行事である。関西を初め、西日本の地方では月遅れの8月13日から16日の間に行われる。

元来の「お盆」は先祖を祭り、冥福を祈る福徳の日だが、社会の発展にともなって、人々の忙しい生活の中で、古代から祭祀活動、風俗などが徐々に簡単になってしまう。「お盆」も次第に元来の先祖を祭るという意味を失い、尚且つ、観光、レジャーや娯楽の年中行事となっている。

1。2 先行研究

日本の「お盆」と中国の「七月十五」は中日両国の重要な祭日で、宗教信仰などの深層文化にも密接している。

「七月十五」は中国の本土文化の産物ではあるが、近代以降は戦争などさまざまな原因で、次第に衰退してしまい、祭りのイメージと意識が薄れてきた。2010年５月18日に、中国文化部が第三回国家無形文化遺産の名簿推薦プロジェクトを発表した。そのうち、香港特別行政区が申告した民俗項目に属す「中元（盂蘭盆会）」が入選された。文献综述

私が調べた限りでは、日本側の「お盆」研究者が柳田国男、鈴木満男、藤井正雄、岩本裕などで、中国側の「七月十五」研究者が多く、「七月十五」の起源、伝説、祭祀儀式についての研究も少なくない。例えば、張海英(2006)、楊鍵、王康（2007）、楊琳（2000）、李少林(2006)と蘭永芳（2009）などがある。しかし、「七月十五」の文化を深く分析した研究が足りない。張明遠の「中国の七夕祭と中元祭――先祖崇拝の比較研究」では、中元祭はもともと収穫祭の中の一つの行事であったが、すなわち、「祖先や神を祭る」という特徴を持っていたと主張している。各風俗習慣の中に含まれる思想が風俗習慣の形成に深く影響を及ぼすと考えられる。

日本の「お盆」と中国の「七月十五」の対照研究を行うことによって、日本と中国とどちらの方がこの伝統祭りが受け継がれてきたのか、そして理由が何なのかを明らかにする。私の調査と研究を通して、信頼性のある確実な結論を出してみる。