重ね形によって作った形容詞は畳語形容詞と言われる。形容詞の畳語はほとんど客観的性質と状態を表す属性形容詞であり、畳語形容詞はすべてシク活用である。畳語形容詞は、派生元の語幹を重ねたものに接辞「しい」が付け加えられ、結合したものである。畳語形容詞には派生元の語幹が「A」が存在するが、畳語形容詞の「A」は語幹ではなく、重ねた部分「AA」が語幹で、「AAしい」全体が一つの形容詞である。また、語全体が重複形態である「畳語」(人々、熱々)とも違う。
形容詞を畳語化することによって意味の描写性が高くなり、話者の感情、心の動きを表すことができる。例えば、「寒い→寒々しい」、「寒い」は「温度が低さを不快に感じる。また、そう感じるほど温度が低い」という意味であるのに対して、「寒々しい」は「なんかひどく低い温度を感じさせる」と同時に「いかにも寒々しそうな様子が生き生きと感じられる。」という意味になる。すなわち、「寒々しい」は「寒い」と比べて、重ねる「寒々しい」は話者の感情をもっと表す。
本論は先行研究を踏まえ、畳語形容詞の構造についてまとめ。その意味用法を考察してみる。
2。 現代日本語の形容詞
2。1形容詞と形容詞の種類来自优Y尔L论W文Q网wWw.YouERw.com 加QQ7520~18766
形容詞は事物の性質、状態、または人間の心情と感情などを表す用言のひとつである。新しい形容詞を形成するための手段として、接辞がむすびついた(うそ寒い、しち難しい、真新しい、口うるさい)派生形容詞、ひとつの語幹にほかの語が結びついた(残り多い、気ぜわしい、口やかましい、見苦しい)複合形容詞、およびおなじ語を重ねたものに接辞「しい」が付加された(くだくだしい、くどくどしい、はかばかしい、白々しい)畳語形容詞がある。
意味用法から分類すれば、主観的な人間の感情、感覚を表現している(悲しい、うれしい、苦しい、いやだ、好きだなど)感情形容詞と、客観的なものや人間の性質、状態と特徴を表現している(大きい、重い、速い、冷たい、丸い、きれいだ、にぎやかだ、おとなしいなど)属性形容詞と、二つに分けられる。また、一語で属性形容詞と感情形容詞を兼ねて、二つの用法に使われるものもある。例えば、痛い
「バラはとげが痛い」(バラの性質)=「痛い」属性形容詞
「私はここに刺さっているとげが痛い」(私の感覚)=「痛い」感情形容詞
2。2 畳語と畳語形容詞
辞典などで一般になされている「畳語」の定義を見ると、
『広辞苑』(第6版 2009)同じ単語または語根を重ねて一語とした語。
『新明解国語辞典』(2006)同じ単語と語根を重ねた複合語论文网
『漢字源』(第5版 2011)同じ単語と語根を重ねて、一語としたものなどの解釈がある。
また、日本語には畳語が数多く、それらには性格や元々の品詞が異なるいくつかの種類があつて、名詞、代名詞、数詞、動詞、形容詞、形容動詞、副詞、感歎詞、擬声語、擬態語など、畳語できない品詞がないようである。ここで、畳語の成り立ちと種類を見て見よう。
① 名詞の重複
国→国々、とき→ときどき、人→人々、島→島々、色→色々、やま→やまやま、
② 代名詞の重複