謝辞 18
1.はじめに
1。1 研究内容
21世紀に世界範囲での経済競争と総合国力競争は科学技術と民族素質の競争である。人々は知識や多種多様な素質を身に着ける人材の育成に対する関心を向上させている。学生の全面的な素質は個人の成長のみではなく、国の発展にも関わる、。どのような教育が必要か、どのようにそれらの教育や素質を施すかということは重要な課題になっている。、特に人々の一生の成長に密接に繋がる素質教育はさまざまな分野で大きな役割を果たしている。
素質教育とは人間の発展と社会発展の需要に応じて、全面的に国民全体の素質を向上することを趣旨として、個性を尊重し、学生の創造精神や実践能力を育て、人格を育成することに目を向ける教育である。この概念は20世紀80年代中期に中国で芽生え、90年代中期に正式に提出された 。素質教育という言葉は中国が提出したものであるが、中国に限らず、世界中多くの国もほぼ同じような教育理念がある。
日本にはゆとりのある教育環境で自らの思考力や生きる力を育成しようとすることを趣旨としての教育を行い、「ゆとり教育」という。それは、1980年以降2010年まで知識偏重の詰め込み教育に対して実施されるものである。人を中心に、学生全体に向け、主動精神を映し、終生発展に目を向け、科学、民主、平等、自由などの時代精神に合う教育限り、素質教育とも言える 。ゆとり教育は素質教育の精神とほぼ一致しているので、ただ日本のゆとり教育は素質教育の一部に限ると言えよう。また、先行研究者は日本の素質教育を述べる時、その時期も含める。したがって、本稿では、ゆとり教育を素質教育の一部と見て、「素質教育」という言葉で中国の素質教育と第二次世界大戦後日本の教育状況(ほとんどの学者は日本の素質教育について検討する時、明治維新時期以降の状況に限っているから)を比較しながら論じてみたい。
1。2 研究方法
本論では比較法という研究方法を採用し、 中国の浙江省杭州市三敦小学校と日本の東京江户川区立平井小学校を例に取って、両学校に関する内容を集めて分析する。両校とも経済の発達地域の公立小学校であり、また、両校の開校の時代も近く、つまり、杭州市三敦小学校は1909年に、江户川区立平井小学校は1926年に創立されたものである。。
1。3研究目的
「日本の素質教育及び啓示」、「日本の素質教育の手段及び啓示」、「素質教育:当代
中国教育改革発展の戦略主題」、「中国素質教育改革の現状分析」などの研究では、中国或いは日本に対する一つの国の素質教育の歴史、既存問題などについての検討が多いが、理論や啓示などの方面に偏っている傾向が見えよう。また、「 21世紀に向ける日本中小学校の教育改革と中国の素質の比較」、 [中日義務教育時期の素質教育の比較研究]や「「素質教育」の実施上の問題点に関する思考」」などの比較研究はあるが、先行研究文献の量から見れば少なく、両国の異同点についての分析が詳しくない。それに加え、巨視的な分析に偏っている。
そこで、本稿は関連文献を利用して分析し、中日両国の小学校を比較し、両国の素質教育の相違点、経験や教訓を検討し、より良く素質教育を進める方法を提出したい。