論文の流れとしては、まず、先行研究として、日本の桜もちの現状やそのイメージについて簡単に述べておく。次に、桜もちの起源や種類を全面的に紹介し、それを通じて和菓子は自然とどんな関係があるのかを探求する。最後に、日本人の和菓子―桜餅から見る自然観と日本人の性格との繋がりを探索し、その内在的な価値観を探り出したい。

2。 先行研究

本節では、日本の和菓子についての先行研究をまとめてみたい。论文网

青木直己が書いた『和菓子の今昔』(2000)がある。それは和菓子の入門書である。和菓子の歴史は古代から近世まで体系的に書かれていた。「和菓子」が言葉として定着したのは第二次世界大戦の後である。それ以前には「日本菓子」や「本邦菓子」など様々な呼び方があった。現代の日本では以前より多様な菓子が並立する時代となっている。

日本の舘野美鈴・大久保洋子は『葉利用菓子の食文化研究』一文の中で、「簡単に、手に入らない葉が使用されることはないが、行事に結びついて伝承された場合、①気候変動などにより手に入りにくくなると「手近な代用品」を使用するか、②あくまでもこだわって「なんらかの方法で手にして伝承を守る」の二通りが考えられる。」という観点を提出した。

中国の李淑玲という作者は『日本料理から見た日本人の美意識』一文の中で「日本料理の特徴から、盛り付けは、視覚で味覚を刺激する最後の味付けである。」と指摘した。調理した食材を彩りよく並べるだけでなく、器の質感や絵柄なども吟味し、季節や風情を盛り込むことは必要である。また趙淸華の『崇尚自然的民族一浅折日本人的自然観』(2001)は、「日本古来の宗教、神道自然崇拝をもとにしているのは、日本人が自然を恐れ敬い、自然と協調して生きてきたことと関係している。自然を支配しようとするのではなく、自然に従い怒らせないようにするというのが基本的な考え方だ」と指摘した。

また市川紘美の『憂鬱なる桜 : 『櫻の樹の下には』における桜像』(2005)と浅場英夫の『和菓子・四季物語「葉月(はづき) 夏祭り」』(2006) など、桜の季節に桜もちと桜、この二つ微妙な美意識の研究を行い、論文を発表した。そのほか、中山圭子の『事典 和菓子の世界』(2006) 、『和菓子ものがたり』(2000)と高橋節子の『和菓子の魅力-素材特性とおいしさ』(2013) など、日本の学者が和菓子に関する多くの研究著作を発表した。

以上の研究では、和菓子を描く際、季節感も触れているが、自然観との関係についての研究はあまり見られない。勿論、全然ないというわけではなく、『浅折日本人的自然観』(2001) では、日本人にとって自然は人間を包み人間と共存していくものだと述べている。しかし、研究をさらに深める余地があると思われる。和菓子が日本人の物質的ならびに精神的生活の各方面に特殊な影響を与えている。したがって、本論では、和菓子の「桜もち」を対象に、そこに反映された日本人の自然観を考察する。また、その自然観が日本人の生活面と精神面にどのような影響を与えるかを探求する。

3。 桜もちについて

3。1 桜もちの起源

南方熊楠によれば、桜餅が世の中に知られたのは天和三年(1683年)である。桜餅は太田南畝の「一話一言」に登場する京菓子司、桔梗屋の菓子目録に書いたという。天和三年には桔梗屋菓子目録が出版され、また京菓子司・桔梗屋の河内大掾が江戸に店舗を構えた。これは蒸菓子であり、後の世の物とは別の物のようである。文献综述

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