宇都宮大学の盛武大輝は『ゆるキャラと地域の関係性』一文に、ゆるキャラの持つ経済効果やゆるキャラのスキャンダルなどについて、ゆるキャラと地域の関係性を論じた。

　これらの研究はすでに、知名度や経済効果などの外的な方面からゆるキャラと地域活性化の関係を触れていたが、内的の方面、つまり人々の心による郷土愛、地域に対する誇りなど、また、地域外の人はこの地域の魅力を気づくことなどはほとんど言及していないようである。文献综述

　また、中国への示唆についての研究は少ない。南京師範大学の徐亦凡の『日本吉祥物形象熊本熊走红的动因分析』一文に、「くまモン」のマーケティングを紹介した。「くまモン」の成功の啓示も論じたが、中国への影響、また啓発などは不十分だと思う。また、「くまモン」は中国との友好交流、政治方面の可能性などはほとんど言及されてないようである。

　そういうわけで、本稿は先行研究を踏まえて、日本ゆるキャラを代表する「くまモン」の由来や発展、またゆるキャラと地域活性化の関係などについて紹介した上で、日本のゆるキャラ文化を分析することにする。

2。くまモンについて

2。1くまモンの由来

　熊本県はもともと農業県である。経済不況の状況によって、豊かな自然が多く残っている。しかし、あるきっかけによって、熊本県が多くの人々に知っており、人気になった。これは、2011年3月12日に九州新幹線が全線開通であること。「くまモン」の誕生日もこの日である。

　2010年3月、九州新幹線が全線開通であるが、終点は鹿児島なので、熊本県はただの通過点である。さらに、当時の熊本県は九州の他の県と比べて認知度が低かった。しかも、実際に九州新幹線に関する記事や新聞に熊本県の名前が報道されなかった。九州新幹線が開通しても、人々は熊本県をおろそかにする可能性が高い。熊本県は九州新幹線全線開通による関西からの観光客誘致や販路拡大などを期待して、人々が熊本県への興味や関心を持たせることを願うことで「くまモン」が制作された。