「坂の上の雲」における司馬遼太郎の戦争観要旨司馬遼太郎は日本の「国民的作家」で、彼の作品における戦争観は近年、中日学者の議論の中心となっている。代表作品である『坂の上の雲』に描かれた二つの戦争――日清戦争と日露戦争から、彼の戦争観が明らかにうかがえる。司馬遼太郎がどのように日清戦争と日露戦争をとらえているかはある程度、日本人の戦争認識に関わってくる。彼の戦争観を分析し、認識することで日中関係の改善・発展に、重大な意を持っているだろう。60554
キーワード:司馬遼太郎 戦争観 坂の上の雲 日露戦争 日清戦争
《坂上之云》中的司马辽太郎的战争观
司马辽太郎作为日本的“国民作家”,他的作品中的战争观近年来成为了中日学者讨论的焦点。从其代表作品《坂上之云》中描述的两场战争——日清战争和日俄战争中,我们能够清晰地看出他的战争观。司马辽太郎是如何认识理解日清战争以及日俄战争的,这在一定程度上关系到日本民众的战争认识。分析并认识他的战争观,在改善和发展中日关系上有着重大意义。
毕业论文关键词:司马辽太郎;战争观;坂上之云;日俄战争;日清战争
一、はじめに 1
(一)研究課題と意義 1
(二)先行研究と方法 1
二、日清戦争から見る司馬遼太郎の戦争観 3
(一)戦争の原因 3
(二)戦争の性質 3
(三)勝敗の原因 4
(四)戦争の影響 5
三、日露戦争から見る司馬遼太郎の戦争観 6
(一)戦争の原因 6
(二)戦争の性質 6
(三)勝敗の原因 7
(四)戦争の影響 8
四、終わりに 9
五、注釈 10
六、参考文献 11
一、はじめに
(一) 研究課題と意義
日本では2009年から、明治初期に起こった日本国の運命に関わった二つの戦争――日清戦争と日露戦争を語る歴史ドラマが放送され、日本社会に歴史ブームを引き起こした。このドラマの原作は司馬遼太郎の同名歴史小説『坂の上の雲』である。『坂の上の雲』は司馬遼太郎の代表作で、作品は三人の人物(秋山好古、秋山真之、正岡子規)の生涯を述べることによって、明治維新後の日本がどのように近代国家を作り上げ、列強となっていったかという物語を描いている。日本近代大衆文学の代表の一人として、司馬遼太郎の歴史小説は多くの日本人に愛読されている。彼の歴史小説から生み出された「司馬史観」という司馬遼太郎の歴史観も多くの学者に議論され、日本社会、ひいては世界に大きな影響を与えた。では、彼の作品がこんなに人気を集めていたのは何故だろうか。それは、おそらく司馬遼太郎の作品には、日本人に共感を呼ぶ部分が多かったためではないだろうか。
近年の中日関係は、侵略戦争の結果として残された領土問題及び歴史問題をめぐり、激しくゆれている。政治上の緊張は中国社会に戦争の不安をもたらし、日本社会に苛立ちを感じている。また今年2016年、日本政府は安保法案を通過させ、日本の更なる世界進出を図っているようにみえる。現在の日本社会はまさに『坂の上の雲』の中に描かれている明治初期のように、政府や国民皆が「興奮」した状態にある。これは非常に危険な信号であると思われる。このような状況の中で、中日両国の友好関係を保ち、更に改善していくため、私たちは日本人の歴史・戦争認識を考慮しなければならない。そして、研究に力を傾け、歴史を回顧しつつ、文学から理解包容を探る努力が、戦争を防ぐ一種の有効手段ではないかと筆者は考え、日本の国民作家である司馬遼太郎に注目し、歴史小説『坂の上の雲』を手がかりに、彼の戦争観を探求していきたい。