2。先行研究

2。1 初音ミクとは

初音ミクとは、クリプトン・フューチャー・メディアから発売されている音声合成・デスクトップミュージック(DTM)用のボーカル音源、およびそのキャラクターのことである。パソコンに入力された歌詞とメロディの指示に従って、合成された人工音声に歌わせることができる。2007年8月31日初音ミクが誕生し、2010年3月9日日本で世界初のホロスナップコンサートが開かれ、そして2012年7月12日、中国語を音源とした「VOCALOID」が中国で登場するに至った。初音ミクの反響は益々強くなり、日本にのみならず、海外でも影響を及ぼしている。

初音ミクの誕生の由来は以下のようである。日本は元々音楽好きな民族であった。老若男女を問わずバンドを結成したことがある人が多く、日本の街頭でも、楽器を演奏するバンドは少なくない。カラオケを発明した日本人にとって、「自分の音楽を表現したい」という欲求はさらに増していった。そうした欲求によって、他人の協力なしで、一人でも音楽を創作することができる音声合成ソフトウェアが作られた。それが、初音ミクである。

2。2初音ミクの流行や社会反響

初音ミク誕生から8年を経て、日本のみならず、海外でも大きな人気を呼んでいる。そのブームについて、多くの指摘がなされている。「誰でも音楽の創作ができる」というコンセプトで、音楽作品の創作が普及した。昔から音楽を作るには、バンドの結成、楽器の演奏やプロデューサー等様々な条件が必要となっていた。しかし、「初音ミク」の発売によって、自分で音楽を創作することが比較的に普通のこととなった。それは即ち、音楽の娯楽が便利化されたということである。 

こうした初音ミク流行の原因について、創作した内容の拡散方式が水平方向であることが、最も重要なことだと主張している研究者もいる。身に起こった些細なことでもTwitterやFacebookなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に書き込み、ネット上からの反応を見る。この若者の性質は、SNSとの連動性が極めて高い動画サイトを主な活躍の場としている初音ミクにとって非常にマッチしており、話題が話題を生む形となって拡散していったのである 。

また、価値共創を中心とした経済的角度から分析を行った学者も多い。「初音ミク」とは、単なる歌声合成ソフトではなく、すなわちクリプトン社、創作者、視聴者・ファン等がそれぞれ自身のコンピタンスの適用を通じ、価値を共創することにより、螺旋上昇による価値の拡張をもたらしてきた。こうした価値共創の連鎖が市場を創造した。創造された市場は静的なものではなく、絶えずに複層的な相互作用を継続し、今日の「初音ミク」という市場を更なる拡張へと導いていると捉えることできる。 

 では、初音ミクの流行と同時に、各方面にどのような影響を与えているのだろうか。初音ミクは音楽の教材として、授業に現れるようになった。歌詞を扱うことによって歌い方の特徴や発声、発音の仕組み、言葉の意味について考えるなど、様々な角度で物事を見る力を養うことができると考えられている。 文献综述

そして、ボーカロイドは音楽の才能のある人に創作の権利を与え、音楽の創作が便利化され、初音ミクはそういった人にとってよいチャンスだとしばしば指摘されて来た。 また、ボーカロイドや初音ミクのグッズ(フィギュア、漫画、ゲーム、コスプレー)などの発売により、会社は多くの利益を得たと指摘されている。 

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