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「金の切れめが縁の切れめ、ってのはね、あれはね、解釈が逆なんだ。金が無くなると女にふられるって意、じゃあ無いんだ。男に金が無くなると、男は、ただおのずから意気銷沈して、ダメになり、笑う声にも力が無く、そうして、妙にひがんだりなんかしてね、ついには破れかぶれになり、男のほうから女を振る、半狂乱になって振って振って振り抜くという意なんだね、金沢大辞林という本に依ればね、可哀そうに。僕にも、その気持わかるがね」[3]葉蔵の後半生には実家から除籍されて、仕送りの量が急減して、お金が無かった。彼はいろいろな女に愛された。女の子に住所とか、食べものとか、お酒を提供された。しかし、彼は女の子を愛しなかった。むしろ、彼には人を愛する能力がなかった。世の中に恐怖を持って、お金がなくて、自分に絶望を感じて、「そして、人間、失格。もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。」彼は自殺を選んだ。葉蔵は何回の自殺未遂を繰り返した。一般人にとって、死亡は非常に怖いものだが、死亡は葉蔵に対して、遊戯のようなものだろう。