そこで、『風立ちぬ』から、、宮崎駿の限界と、矛盾的な戦争観及びその原因を分析していきたい。そして、宮崎駿の戦争観を通して、一部分の日本人の戦争観がどのようなものなのか考察する。
2.『風立ちぬ』の反戦思想について
2.1ストーリーから見る戦争観
『風立ちぬ』は、零式戦闘機の設計家である堀越二郎の半生を描いたものである。映画は、堀越二郎の少年時代から始まる。少年時代の彼は、戦争に使う戦闘機ではなく、ただ人類の美しい夢を達成するための飛行機が好きだった。映画の中で主人公は、四つの夢を見る。
第一の夢は、二郎は飛行機を運転して空に飛び上がった。しかし、空を飛ぶ楽しさは、多くの大きな黒い戦闘機に破壊された。二郎が運転する飛行機は戦闘機に襲われて空から落ちてしまった。この短い夢で二郎は戦闘機の恐ろしさを認識した。