1。1研究内容と価値

 火野葦平は戦争文学を代表する作品を残した作者として、1938年に『糞尿譚』で芥川賞を受賞してから、続けて人生経歴で多くの作品を発表した。その代表作は『糞尿譚』(1938年、芥川賞)、『麦と兵隊 』(1938)『土と兵隊』(1938)『花と兵隊』(1939)とあわせた「兵隊3部作」(300万部を超えるベストセラーとなった)、『河童 』(1949)、『花と竜 」(1953)、『前後』(1960、日本芸術院賞)などがあげられる。火野葦平は日本近代の重要な作家として認められた。本稿では、『煙草と兵隊』に基づき、火野葦平が杭州で住む間に、見た杭州を再現する。煙草についてのよつことを対象として、火野葦平が作った杭州像とその杭州観を検討したい。作品を通じて、当時煙草を広く流行した杭州の庶民の生活状態、精神状況、中国兵隊兵士の状態などの近代杭州の様子を明らかにしたい。これも近代日本人の中国観を究明する一つの手がかりになれると思う。文献综述

1.2先行研究

 

今まで、火野葦平の兵隊三部作についての研究が相対的に多い。周朝偉氏は『日本从军作家火野苇平及其战争文学—以《麦与士兵》为例』という論文では、主要に火野葦平描写した日本兵士の日常生活に注目し、その描写をいろいろ論述した。中国と中国人についての分析があまり触れていない。潘世聖氏の論文『火野苇平及其《麦与士兵》的历史考察---近代日本“日中战争文学”基础研究』では、火野葦平作品の中、火野葦平が自分の個人感情を作品内容に入るという要点で文章を分析した。

以上の先行研究は全部日本人の行動、思想を重点として分析したが、中国社会、中国人のイメージが言及していない。そういう訳で、筆者は火野葦平はその作品で、どのように中国社会、中国人を描写したかというテーマも興味深いと思うようになった。しかも、筆者の調べた限りでは、火野葦平の『煙草と兵隊』に関する研究がまだない。したがって、本論は『煙草と兵隊』のテキスト分析に基づき、当時の杭州の庶民の生活状態、精神状況、中国兵隊兵士の状態を究明したうえで、火野葦平の作った近代杭州像及びその杭州観を明らかにしたい。

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