4。 考察 12
4。1 「V+中」「V+テイル最中」「V+テイルトコロ」の表すアスペクト的意味の異同 12
4。2 「中」の特性とそこから見た日本語のアスペクト 13
5。 まとめと今後の課題 14
5。1 まとめ 14
5。2 今後の課題 15
6。 参考文献 16
1。 はじめに
「中」「最中」「トコロ」この三つの表現は、その前に動詞的意味を持つ言葉と共起し、一般的に、「動作の進行」と「結果状態の継続」という二つのアスペクト的意味があると考えられる。しかし、その三つの表現は、前に承する動詞により、それぞれ異なったアスペクト的意味や、ニュアンス等を有しており、特に、「V+中」には、さらに接尾辞としての独特の意味と、豊かなアスペクト性を持っている。
従来の研究においては、「V+中」「V+最中」「V+トコロ」この三つの表現をそれぞれ分析し、研究するものは、多少あるが、この三つの表現の持つアスペクト的意味、及び異同等の比較については、まだ論じていない点がある。来自优W尔Y论W文C网WWw.YoueRw.com 加QQ7520,18766
本稿では、先行文献を踏まえ、動詞分類により「V+中」「V+テイル最中」「V+テイルトコロ」この三つの表現を分析し、その表しているアスペクト的意味の異同を明らかにする上、特に接尾辞としての「中」の特性、及びそこから見た日本語のアスペクトの実態をより良く究明したい。
2。 先行研究と本研究の立場
2。1先行研究
2。1。1「V+中」について
柏野(1979)では
(21)K-CHU結合→progressive [+concentrative]
(22)S-CHU結合→resultative [+temporary]
ということが書かれている。论文网
つまり、継続動詞に「中」が付与されると、アスペクト「動作の進行」という意味になる他、積極的にその動作を行なっている「+concentrative」(積極性)という感情、特性も現れ始めることになる。一方、瞬間動詞に「中」が付与されると、アスペクト「結果状態の継続」という意味になり、さらに、その動作が一時的なものであるという[+temporary](一時性) の感情、ニュアンスを持ち始めることになる。
水野(1984)では、柏野(1979)に言及していた[+concentrative](積極性)と[+temporary](一時性)という二つの特性に対し、やや異なる意見を提示した。それは、瞬間動詞に限らず、継続動詞も「中」と結合すると[+temporary] (一時性)というニュアンスを持つことで、「永続的な状態を表す語や、瞬間動作を表す語でその瞬間動作の結果状態が永続すると考えられるような語は、『中』と結合することができない」と述べた。それも、「中」の前に接することができる動詞の一つの条件になるという。
動詞のマス形が「中」と結合することにより、生じた新たなニュアンスや感情などについて、大和(1997)にもそれを補充する新たな見解を示している。
「V+中」には、ある一定の範囲を指定・限定・特定化するという中核的な意味がある。…従って、テイル形の生起とは別に「V+中」だけに見られる特徴というものが存在することになろう。…その「切迫感」が強く感じられるという。