次に高橋太郎(2005)は「~てもらう」の使用を2点に分けて説明した。
① 主語であらわされるサービスのうけ手のために、他人(サービスのおくり手)がすることを、うけ手のがわからあらわす。
・岡田にへびをころしてもらったの日のことである。论文网
② はなし手のなかで決定されたものとして、きき手や第3者に対してその動作を要求することをあらわす。
・あのおとこにはしんでもらう。
村上三寿(2015)では「~てもらう」というかたちの文法的な意味について、「出来事に対してありがたさを感じたり、利益や思恵をうけとる」ことの表現であるという。
佐久間勝彦(1983)、益岡隆志(2001)、高見健一・加藤鉱三(2003)、溝口博幸(2011)も加えて、今まで「~てもらう」の意味機能についてのキーワードはほとんど「恩恵関係」「感謝」「受益」で、尹 テレサ(2014)のように、日本語を第二言語としての授受補助動詞習得実態の調査は韓国人と米国人が多数を占めており、中国人学習者への調査特に「~てもらう」に焦点を当てるのは少ない。
2。2 介在性の他動詞文
「~てもらう」文を一見して、前の動詞のほとんどは他動詞で、2。1高橋太郎(2005)②で述べたように、「その動作への要求性」があり、「使役型」の文法的な意味が入ってるのは確かで、また「髪を切った」この文が佐藤琢三(2005)の脚注に書かれており、分析理論としては良いであろう。
佐藤琢三(2005)では、主語は動詞の示す行為の直接の主体ではなく、他の存在を介して当該の行為を実現している表現を「介在性の他動詞文」を呼ぶことにする。他動詞文の意味的バリエーションとしての位置づけについて、自動詞文にはみられない、他動詞文に特有の問題であり、統語的には他の他動詞文と違いはないという。
例えば、「山田さんが家を建てた」という介在性の文で考えると、その表す状況は発注者である「山田さん」が工務店に対して建築の依頼をする過程と、依頼を受けた大工が家を建てるという行為を行う過程という大きく二つの過程から構成されている。このように、介在性の文が表す事態そのものは使役的状況としての特徴をもっている。しかし、実際に存在している被使役者を表現する格を備えていない。この点は「させる」による使役文とは大きくその性格を異にする。文献综述
介在性の文の成立を支える要因として、「事態のコントロールの能力」と「動詞の意味的焦点」が関与していることを提示した。
2。3 問題点
管見の限り、外国語対照研究の中で、中国日本語学習者と日本語母語話者の「~てもらう」の使用上の違いの状況については、まだ明白に述べられていなく、その違いの状況を研究する余地があると考えられる。
佐藤琢三(2005)「介在性の他動詞文」の理論は「髪を切った」というような「~てもらう」省略文を分析するには適用かどうか、また介在性の以外に他の分析方法も考えるべきだと思う。