昨年、職員に男女の意識調査をした。そうしたら、お茶くみは女性がしている、と答えた人が6割いた。朝、昼、午後3時と、お茶の時間は3回の職場が普通だという。40人もいる大所帯の課もある。後片付けも含めると、1日でお茶くみに数時間を費やすそうだ。これでは仕事に差し障る。そこで文書での要請となった。(1998年7月17日「朝日新聞」より)
確かに、「そうだ」と「ということ(だ)」は意味が非常に近いものである。だから、日本語習得者にとって、使い分けに悩んで、難点の一つだと言って差支えがないだろう。国内の論文や研究報告を調べたあげく、ほとんどは文法学の角度でその二語の意味用法や文構造などをそれぞれ分析しているだけで、照らし合わせて分析するものが希である。まして、語用論のコンテキストの視角でその使い分けを研究するものはまずないだろう。
本論文はその難点を問題にし、コンテキストによる語用分析をして、一般の文法書が言及していない問題に取り組み、試しに「そうだ」と「ということ(だ)」の使い分けを明らかにしよう。前の内容では述べたように、本論文は語用論のコンテキスト理論によって、試しに「そうだ」と「ということ(だ)」の使い分けを明らかにしようとする。そこで、目的は明白に述べていた。すなわち、「そうだ(伝聞)」であれ、「というころだ」であれ、みな伝聞の意味用法で、しかも非常に近いものである。その使い分けは教科書でも、辞書でも明瞭に解明できないのである。というのは、教科書でも、辞書でも、どちらも文法学の角度で、その意味用法をいちいち解釈するので、両語を照らし合わせていないわけである。本論文では、研究方法となると、語用論のコンテキスト理論に従い、文法上の意味用法はもとより、言葉の使用環境も考慮しなければならない。つまり、なるべく小説や新聞雑誌を語例の源にして、多くの語例を集め、対照研究の手段によって、研究を進めようとする。勿論、もし成し遂げれば、日本語教育ないし日本語習得に対して些かな参考の価値があると、意義がある。
方法としては、大量の文献や資料を読むことによって、文を分解して研究する。具体的には
1。 先行研究の資料を精読する。
2。 教科書、辞書やコーパスなどで伝聞の意味で「そうだ」と「ということだ」の用例を広くあつめる。
3。 言語の環境によって、伝聞意味の「そうだ」と「ということだ」の用例をそれぞれ分析する。
4。 「そうだ」と「ということだ」の使用条件と使い分けを明らかにする。 文献综述
「そうだ」と「ということだ」はともに伝聞を表すものである。しかし、両者は使い条件が違っている。その使い条件を見出せば、日本語学習者にとっては日本語を正確に応用できるために、意義がある。
2。 助動詞「そうだ」の意味用法
2。1様態助動詞「そうだ」の意味用法
(1) 性質・状態についての見かけからの判断を表す。
[1] 彼女はその知らせを聞くと、うれしそうに笑った。/她听到那个消息后,开心地笑了。
[2] まだ使えそうなパソコンを捨てたら、惜しいなあ。/把还能用的电脑扔了,可惜了呀。
[3] 自信のなさそうな様子。/好像缺乏自信的样子。