以上の三つの点から見ると、「永遠の０」は反戦思想を表す作品であるが、戦争の原因には及ばなかった。できるだけ軍国主義戦争を避け、武士道精神を基づいた日本軍人の勇敢、「忠誠衛国」精神を宣言することが見られている。

　2。1。2 「英雄」の概念

　ドラマ「永遠の０」の中で、証言者たちから神風特攻隊員宮部久蔵の物語を述べたのである。各証言者によると、以下のような宮部久蔵の人物像が現れた。臆病、凄腕の零戦パイロット、英雄、妻子を重視する人。確かに、軍隊は一人一人の家庭員から作ったのである。軍隊の兵士たちも生き生きしている人であり、親友たちがいるはずなのである。しかし、戦争時代の特殊時期に、日軍の大部分兵士が思ったように、兵士たちの命は日本に属するので、兵士たちはいつでも国に献身する覚悟をしておく。日本は集団意識が高い民族である。彼らの集団主義は世界的に知られている。このような環境のもとで、もし兵士たちは自分の命を考えたばかりだったら、確かに周りの大部分の人々に異様な人と見られる。宮部久蔵はこのような周りの大部分の人々に異様な人と見られる人である。宮部久蔵は皆に臆病、凄腕の零戦パイロットと呼ばれている。

　しかし、宮部久蔵がなぜ特攻隊に志願するかの謎を解くとともに、宮部久蔵の孫たちは祖父の死に対して惜しいと思った時、この皮肉とみられる人物は日本の英雄に扱う人物であるとみられる。例えば、特に第三夜の中で、宮部久蔵が特攻する時犠牲したシーンを通して、宮部久蔵この人物像が「昇華」された。それも反戦思想を強化するとみられる。元通信兵の村田保彦を通して、宮部久蔵は以下のように述べた。「たとえ自分が落とされてもだ。しかし、俺は彼の見殺しをした。俺の命は彼らの犠牲になる。彼らは死ぬことで、俺は生き延びてる。」最後のシーンも宮部久蔵は学生の身代わりに死んだ。宮部久蔵の学生だった大石賢一郎は、さらに宮部久蔵を英雄とする。彼は宮部久蔵が日本にとって不可欠な人材であり、日本の未来の希望であると思った。妻の松乃も「宮部久蔵はきっと私たちのために死んだのです。いいえ、宮部だけではなく、あの戦争で亡くなった方たちは、みんな私たちのために死んだのです。」4ほかの元通信兵村田保彦、元零戦搭乗員の景浦介山だの証言者たちも宮部久蔵のことを英雄のように尊敬している。

　以上を見れば、このドラマは表面的に「英雄」を称えている。深く考えると、この「英雄」という概念が歪んでいる。これは世界的なA級戦争犯人を「英雄」みたいに神風特攻隊隊員に謳歌するとみられる。このなかの詳しい分析は本章の「2。2。1『英雄』への謳歌」の中に分析する。

2。2 誇大なドラマ題材

　2。2。1 「英雄」への謳歌　文献综述

　上の「2。1。2 『英雄』の概念」の中に既に「英雄」という概念が歪んでいる具体的な例を挙げた。次は、このドラマはいかなる神風特攻隊隊員への「英雄」を謳歌するのかを分析してみる。

　既に戦場に死ぬ覚悟をした戦士たちは「臆病」と呼ばれる宮部久蔵の阻害で生きてきたが、「臆病」と呼ばれる宮部久蔵は戦場に戦死した。特にドラマの第三夜の最後のシーンである。宮部久蔵は零戦戦機に乗って敵軍の空母に攻撃して戦死した。運命を弄ぶようなシーンは、さらに観衆たちに宮部久蔵のような「英雄」の行為を感慨させる。